『あちら』と『こちら』の間には、たくさんの物質が横たわっていたり、時に障害があったり邪魔者がいたり、過去の記憶で満ちていたり未来の情報が詰まっていたり、けれどもなにもなかったりしている。 名刺ケースのなかに蛇腹に折り込まれるこのリトグラフ作品は、そんな様々な『あちらとこちら』に対応できる『物差し』である。あちらとこちらをそれぞれの尺度で感じることで、でも実は『あちら』も『こちら』も無く、そこに存在するのであろう時空を超えた繋がりを測ることのできる『物差し』なのだと思う。
佐藤由美子