Gallery ART SPACE Produce
Collaborators vol.12

佐藤由美子・藤井信孝 展
サ−カス物語

ミヒャエル・エンデ著の戯曲『サ−カス物語』(岩波書店/矢川澄子訳)を題材に、
日頃から言葉やテキストを用いて制作するふたりがコラボレートするというコンセプトのもとに行われた展覧会。

物語中にキーワードとして登場する『鏡』と『影』に着目し、藤井信孝さんが『鏡』を用い、佐藤は『影』のイメージを担当した。

私はテントのイメージとして帆布を用いたり、モビールを浮遊させることで『サーカス』のイメージを表現の形態として用いた。

又、物語の中心人物であるジョジョ(ジョアン王子)のセリフを藤井さんが、エリ王女のセリフを佐藤が担当し、第6幕にあるふたりの掛け合いの唄の部分を大きなテーマとして引用することにした。

Jojo;
どこからきたかわからない/どこへ行くかもわからない/何をさがすかわからない/自分がだれかもわからない/いまのわたしにわかるのは/むかしわたしの失った/何かをさがすことばかり/だがわたしにはどこにあるかも/なぜさがすかもわからない/いまのわたしにわかるのは/旅路が遠いことばかり

Eli;
どこからきたか知ってるわ/でももう二度ともどれない/何をさがすか知ってるわ/自分がだれかも知ってるわ/でもそのひとが見つからない/むかしあたしの知っていた/かけがえのないそのひとが/だからあたしはわすれたいのよ/あなたみたいにわすれたいのよ/こころはからになるけれど/きっと楽にはなるでしょう

物語では、鏡が月となり人間の世界を浮遊しては人間の影(面影)を映し、その影たちをガラスのお城に閉じ込められた人間の愛を知らぬエリ王女のもとへとつれてくる。

鏡(藤井信孝さんの作品)に影(佐藤の作品:モビールやテントに描かれた影、文字、言葉)を映すことが、今回のコラボレートの最大の意義と考え、モビールに描かれたセリフの全て、テントに描かれたセリフの一部を鏡文字に描き、鏡に映るとはじめて直接的に視覚に響くような効果を試みた。

続く